【施術レポート】足関節捻挫に対する低周波治療器:NEUBOXUの有効性について|兵庫県宝塚市 阪神バス「中野住宅前」バス停下車徒歩1分にあるショックマスターもできる山岡整骨院

ブログ

BLOG
ブログ

2020.05.21
ニューボックスU
【施術レポート】足関節捻挫に対する低周波治療器:NEUBOXUの有効性について

 足関節捻挫は接骨院業務において最も多く遭遇する急性外傷の一つであり、様々な治療法が確立されている。当院では年間を通じてスポーツ活動に起因する外傷で来院される患者が多い為、足関節捻挫は数多く施術を実施している。中でも症例が多いのは内返し捻挫による前距腓靭帯損傷であり、老若男女問わず幅広く見られる。今回はその施術に関しての報告をする。
 当院では令和1年10月より低周波治療器:NEUBOXUを新たに導入している。このNEUBOXUは、生体電流に近い微弱電流(100~300μA)と低周波(2000~4000Hz)を用いて神経、筋組織、靭帯などの結合組織に無痛刺激を与え、損傷部位の電流の乱れを整えることで自然治癒力を促進するものである。当院では急性の足関節捻挫に対して、RICE処置、手技による距骨および他足根骨のマルアライメントの矯正、周囲筋の緊張の緩解等を施した上で積極的にこのNEUBOXUを用いての施術を実施している。
 NEUBOXUの導入から現在(令和2年5月)までの間に、急性の足関節捻挫で来院し、かつNEUBOXUを実施した患者数は約30名であった。まず診断に関しての報告をすると、ほとんどの例はやはり典型的な内返し捻挫であり、前距腓靭帯損傷を疑うものであった。ほぼ全例において内反ストレステスト陽性で、足関節底背屈制限、つま先立ち不可、外果部に圧痛、腫脹、熱感を認めた。
 NEUBOXUの治療効果の評価に関して、患者本人の主観的な10段階のペインスケールを用いて検証した結果、来院時と施術後とを比較してほぼ全例にペインスケールの逓減が見られた。このように、急性の足関節捻挫であっても即効性が確認できた。また、足関節周囲筋の緊張を弛緩させる効果も確認でき、他動的可動域検査において施術後に可動域の改善が見られ、効果の高い例では当日にも通常通りの歩行が可能になることもあった。前距腓靭帯損傷の受傷から治癒までの期間は損傷の度合にもよるが、不安定性がないT度であればテーピング等の補強を2〜3週間、靭帯の断裂を伴い不安定性を認めるU度以上であればギプス固定を施し3週間以上安静(場合によっては靭帯の縫合手術の適応)、その後経過を見つつ徐々にジョギング等を開始し、1〜2ヶ月後にスポーツ復帰となるものが通例である。NEUBOXUを用いて疼痛の緩和、可動域の改善を行いつつ、治癒、スポーツ復帰までの期間の最短化を目指すことが可能であると考えられる。ただし、復帰を急ぐあまり固定期間を不適当に短縮したり、早期から過度な運動を導入したりすると不安定性が残存し捻挫の再発を繰り返す可能性があるため、NEUBOXUでの施術に限ったことではないが、損傷の度合と経過を照らし合わせてその時々に最適な処置をすることが必要である。