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【施術レポート】サッカー選手の下前腸骨棘裂離骨折の施術について

 骨盤骨の裂離骨折は、スポーツ活動における一般的な外傷のひとつであり、なかでも下前腸骨棘の裂離骨折は成長期の、とりわけサッカーのキック時に発生する例が多い。症状が類似する外傷に鼠径部痛症候群(グロインペイン)があるが、治癒期間、施術方針は異なるため鑑別が必要である。サッカーのキック時に股関節痛が発生し、しばらく放置したが痛みが改善せず当院に来院し触診等徒手検査を実施した結果、下前腸骨棘の裂離骨折が疑われ、整形外科へ受診しに行っていただくケースは少なくない。骨折があった場合でも腫脹や疼痛が明瞭でないことが多く、自己判断で骨折の有無を鑑別するのは困難である。また受傷者は成長期の児童など低年齢層が多いということもあり、鑑別の際は患者の主張する発生機序が正確ではない可能性も考慮する必要がある。
 骨折があった場合でも手術の絶対適応となるわけではなく多くは保存療法での経過観察となる。ただし、転移が大きい例や、治癒が遷延し偽関節となってしまう例も少なからずあり、成長期の疾患ということもあり、慎重な対応が求められる。
 施術では骨癒合が確認されるまでは股関節部の直圧や牽引療法は避け、殿部や大腿部、特にハムストリングスの筋緊張を緩解させ、大腿直筋の負担を軽減させることが主となる。
骨癒合が確認されれば、ストレッチやジョギング等の軽運動から開始し、徐々に強度を高めていき、概ね3~4ヶ月でのスポーツ復帰となる。
 鼠径部痛症候群にも共通して言えることであるが、スポーツ復帰の際には体幹と下肢の協調運動の訓練が不可欠である。サッカーにおいては当院での施術の記録を通しての考察であるが、ハムストリングスの柔軟性不足、もしくはそれに起因する、いわゆる「股関節を痛める蹴り方」をしている例が散見される。まずはストレッチ指導により十分な股関節の可動域を取得したうえで、下肢だけでなく、体幹をうまく連動させた蹴り方を身につけなくてはならない。
 ストレッチに関しては、スタティックで行うものだけではなくバリスティックで反動を用いてリズミカルに動かしながら行うものや、動作の中で行うダイナミックストレッチも取り入れ、より実戦的な動きの中での可動域改善を図る。また、下肢の柔軟性不足による腰椎へのストレスも考慮しながら、キック動作の訓練を行うようにする。

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