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【施術レポート】心因性(ストレス性)腰痛に関する考察

 腰痛は全人類共通の疾患であり、わが国においては程度の差はあれど、ほぼ全員が経験するといっても過言ではない。日本の労災補償費の7割ほどを腰痛が占めていると言われており、特に介護職や看護職、肉体労働を伴う職種に多い傾向がある。しかしその病態は非常に複雑で、すべての腰痛に関して受傷機序と症状の整合性が見られるとは限らない。
 腰痛は大きく分けて、特異的腰痛と非特異的腰痛の2つに分類される。特異的腰痛は、医師の診察および画像(MRIやレントゲン撮影など)による検査で原因が特定できるものを指し、非特異的腰痛は原因が特定できないものを指す。脊柱管狭窄症や腰椎椎間板ヘルニアなどにともなう腰痛は特異的腰痛に分類される。急性腰痛症(いわゆるギックリ腰)は、腰椎椎間関節部の関節包や腰椎周囲筋の捻挫による炎症だとされるが、画像検査をしても負傷部位が特定できないことが多く、こちらは非特異的腰痛に分類される。腰痛全体の内80~85%は非特異的腰痛だとされ、それほどまでに腰痛の原因を特定するのは難しいという事が分かる。
 近年、様々な要因のうち、腰痛と精神医学的問題や心理的要因との関連に着目した研究が多くなされており、いわゆるストレスや不安、抑うつなどが腰痛発生の原因となりうる可能性がある。これは腰痛に限った話ではない。例を挙げると、癌の患者が同じ進行度であっても在宅療養する場合と入院での療養とで比較した時、前者の方が夜間痛などを訴える頻度が少ない傾向にあるというものがある。これは自宅という慣れた環境にいることや家族との会話をすることで安心感やポジティブな感情を持ちやすいことに起因しており、それが疼痛の軽減につながっていると考えられている。
 感情そのものが疼痛の誘発を促進する可能性に加え、ストレスが交感神経系を刺激し、筋緊張を過度に促進し疲労につながるという説や、心的な不安や悩み事を抱えた状態で動作を行うことにより姿勢の微細なバランスが崩れ、関節部の損傷に発展するという説もある。科学的な根拠が明瞭に分からないことが多いが、患者の訴える受傷機序と症状に整合性がなく、疼痛改善に時間がかかるなどする場合は、内科的、整形外科的疾患(腫瘍など)の可能性を適切に排除したうえでこの心因性の腰痛を考慮するべきではないだろうか。心的なもののみならず、労働時間や環境なども問診時にヒアリングをし、原因究明に努めるべきだと考える。

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