【施術レポート】誤ったスクワット動作による痛みに関する考察|兵庫県宝塚市 阪神バス「中野住宅前」バス停下車徒歩1分にあるショックマスターもできる山岡整骨院

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2020.06.23
腰部に関するお悩み
【施術レポート】誤ったスクワット動作による痛みに関する考察

 当院では施術の一環として運動指導(パーソナルトレーニング)を積極的に導入しているが、患者から多く聞くのが「家でスクワットを自分なりにやってみたら、やり方が悪かったのか膝が痛くなった」という話である。昨今は多くの書籍やテレビ番組などでスクワットを日常的に行い下半身をトレーニングすることが推奨されており、通院されている患者の方々の中にも、普段スポーツ等はやっていないがスクワットだけはやっている、という方が多い。
 人体の筋肉のうち、最も大きく強力な筋力を発揮する大殿筋や大腿四頭筋などが下半身に集中しており、下半身トレーニングは運動不足改善からダイエット、スポーツのパフォーマンスアップまで重要なことには間違いない。また近年一般的に言われるようになった、加齢に伴う筋力低下により運動器の機能が鈍り、日常生活に支障をきたす「ロコモティブシンドローム」の予防としても下半身のトレーニングは必須であると言える。
 下半身を鍛える種目として最も代表的なものはやはりスクワットであるが、一見直立と中腰を繰り返す単純な動作のように見えてその実、体幹から股関節、膝関節の高度な協調動作を要することはあまり知られていないように思う。
 ありがちな誤ったスクワット動作を挙げると、以下の事例が多い。

股関節が屈曲できず膝関節が前方に出過ぎる
膝関節が外反している(いわゆる内股状態)
体幹が適切に固定できず前屈または後屈してしまっている
つま先が浮き後方に転倒しそうになる

 の場合は、殿筋およびハムストリングスの収縮が弱くなり、大腿四頭筋部に過度な負担をかけてしまう。その結果、膝前面や側方に痛みが出やすい。しっかり股関節を屈曲し、殿筋を用いて体重を支えることが重要である。目安として「膝関節がつま先より前に出ないように」と指導をしている。の場合は、膝関節内側に過度な伸張ストレスがかかり内側に痛みが出る。矢状面で足関節の垂直軸上に膝関節がある状態で行うべきである。の場合は、脊柱起立筋や脊柱に過度な負荷をかけるため腰痛の原因になりうる。腹圧を高めた状態で、スクワットのどの局面においても体幹を一定の姿位で固定できるようにしなければならない。の場合は、足部踵側に重心があるために後方に倒れそうになるが、重心は常に足部全面を設置した状態で、母指球側におくべきである。前方に重心を移動させるのが困難な場合は、踵部の下に数センチほどの台またはタオル等を挿入し、強制的に前方重心にさせスクワットを行いその感覚を体感してもらうようにしている。
 その他患者の身長や体重、年齢などを考慮したうえで適切なスクワット動作を習得してもらうよう推奨をしていく。